前回の”後半”からずいぶん間が空いてしまいましたが、続けていきます。 さて、前回はよくある失敗例をあげました。 ではどうしたらよいか?どんな体制を組めばよいか?どんな会社に声をかければよいか? ひとつの正解は、「一緒に運用を育ててくれるところ」だと考えています。 もちろん、システム運用の世界は多種多様で、あるユーザさんにはバッチリの運用体制であっても、 別のユーザさんではミスマッチ、というケースは多々あります。 たとえば、大手H/Wベンダさんの運用設計では、「運用=申請書」として、 申請書から開始する業務一覧とSLAを非常に重要視します。 この場合、役割分担がきっちりできているので事故が起こりにくい反面、 ユーザ部門とシステム部門がSLAをきちっと運用しないと、対応速度やコスト感に不満が出てきます。 逆のスタイルとしては、システム部門に外部のIT専門家が常駐し、 インシデント管理と運用と変更管理と保守を非常に短期のサイクルでまわしていくケースがあります。 この場合、対応速度やユーザ満足度は高まりますが、 システム部門がきちんと統制をとらないとIT事故の温床となります。 ITIL v3は優れたフレームワークですが、そのITILでも、システム運用は改善を続けていくもの、 と位置付けているように、運用とはユーザ毎に正解は異なるもので、 日々の改善によってより良く発展していくもの、と考えています。 このような考えに即して、杓子定規でもなく、”なんとなく”でもなく、 誠実にユーザのシステムと向き合ってくれる「一緒に運用を育ててくれるところ」、 という視点で運用ベンダを選定するのはいかがでしょうか。 漠然としすぎでしょうか。 しかし、運用は技術ではまかなえない漠然とした側面を持っています。 AWSのようなクラウドを導入して基盤から解放されたからといっても、 日々の運用を考えないと従量制のコストは跳ね上がっていきます。 体制を敷いたからといっても、個々の担当者の意識が低ければインシデントは解決しません。 ぜひ、信頼できる「一緒に運用を育ててくれるところ」を見つけてください。
TOP